消えて2ヶ月が過ぎた築地
2018年10月6日にその役目を終えて閉鎖された築地市場に再び訪れてみた。
かなり以前に同じく役目を終え、今はもう跳ね上げ機構を動かすことができない勝鬨橋(再起動には補修等々で億単位の金が必要だそうです)の上から築地港を眺めると、まだ姿は生きていた頃の築地とはさほど変わらない。
しかしその様子から伝わってくるのは物悲しさと静けさで、車がいつも止まっていた岸壁には何もなくなってしまっている。柱がいくつも立ち並ぶ様はさながらパルテノン神殿だが、こちらはあちらとは違いじきに消えてしまう景色だ。
橋を渡りきり高くそびえる工事用フェンスを横目に、波除神社のある中央の入り口に向かう。休日とあって解体工事は止まっているのであろう、あたりに広がる静けさが再び一抹の寂しさを与えてくる。
波除神社の横、かつてゲートがあった付近は完全に閉鎖されているが、左にそれるようにパーキングとして転用されていた。子供の頃には母に連れられここから場内に入ってあの活気を体に浴びていたと思うと、もうあの景色は本当に無くなったんだなと、消えたゲートが教えてくれた。
いつものように波除神社にお参りをし、この場所を後にしたのだった。
(2018年12月24日の記録)