いつか還る
斜面を利用した集落では見かけることの多い景色。
お年を召された住人の方がお子さんの住まわれる都会に出たり、集落の下の方に越したりすることで、きつく急な坂を登った場所にある家は放置されてこうして崩れて行くそうです。そんな中で水回りはやはり耐久性が高い様でぽつんと残っている状況もたまに見かけます。
そして、これは寂しいことなのかな?と自分は最近思う様になりました。
この世に存在するほとんどの物はいつかかならず朽ちて還るはず、だからもしかしたら観点を変えれば「やっと還れた」になるのかもしれませんよね。そして完全に還り元の形が消滅した時、また新しいカタチへの一歩が始まるのかもしれません。
さらにそこに残るヒトを主体とした思い出や記録は受け継がれます、それもまた長い年月を経ていつかはこの世界のどこかに放散して還っていきますが、インターネットサーバーが普及してこうして文字に起こす事によって、もしかしたらそのサイクルはさらに長いものになっているかもしれません。だからきっと、物質としての形状は失ってもその記憶は長いあいだ受け継がれるのはずです。
まぁボクの言葉はボクが生きてる間だけ、ボクに興味を持った人だけが知ってくれればいいかな、そして撮った写真たちは誰が撮ったかなんてわからなくていいから、何かしら誰かしらの心にとまる物として1枚でも残ってくれればいいかな、と思ってます。