記憶回路

犬猫飼い、漁港好き、旅好き、東京在住の写真屋MASAYAのブログ

大津島/回天訓練基地/九三式酸素魚雷発射口

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人間魚雷と呼ばれた回天の歴史を肌で感じたい。
 
そう思って、当時の訓練基地といくつかの遺構の残る、山口県の徳山の沖にある大津島(おおづしま)へと行って来た。
 
羽田から岩国空港行の始発便にのり、タクシー、電車、船と乗り継ぎ昼前には到着、そこは基地があったとは思え無いほどに静かで美しい島だった。
 
本来は旅行記的に書いた方が判りやすいのかもしれないが、実はそういうBlog記事はいくつか存在する、だから自分は直感的で断片的に強く感じた事を書いて見たいと思う。
 
大津島の本土側ではない西側にぽつんと存在する回天訓練基地、渡船の船着場からトンネルを抜けるとそこに存在する。
 
この基地は当初は九三式酸素魚雷の発射試験場として建造されたが、戦況が変化し戦い方が変わって行く中で魚雷の命中率が下がり、より確実に当てる方法として黒木博司中尉によって考え出されたのが、その九三式酸素魚雷を改造して人を乗せて特攻させる兵器「回天」だ。
 
そしてこの写真の発射口は、回天一型を発射するのには使用されてはおらず、魚雷試験場の名残でしかない。
 
それでもなお、その向こうにまるで窓の様に見える蒼色の海と、枯れて崩れ消えるのを待つコンクリートとのコントラストは、何か戦争というものを物語って居る様に感じた。
 
ただ、直接的な戦闘はこの場所では行われておらず生々しさはあまりない、だから逆に不思議な空気感を醸し出して居るのかもしれない。