回天
今回、呉に訪れるにあたって日本海軍の本などをいくつか読んだ。そんな中で、以前入手していたコミックの中に「回天」の物語を描いた物が有るのを思い出し読み直してみた。
単純に特攻を悲しい事だとか理不尽な事だとか書いたものではなく、若者達とその取り巻く環境の中で、果たして生とはなんなのか?をしっかりとした取材を裏打ちにして描かれた作品であった。
そして今回、その人間魚雷と呼ばれた「回天」の実機に、呉の大和ミュージアムで始めて会えた。
小さい…想像していた物より遥かに小さい。
魚雷の爆薬を乗せた前部と推進装置の有る後部を切り離し、そこに人が乗り込んで操作するスペースと機器をを挟んで溶接しただけ、とは知っていたがこれはあまりにも小さい。訓練時には2人で乗り込んでいたい事もあると言うのが信じられないくらいだ。
人がいわゆる体育座りをしてやっと居られる空間に、逝けと出撃命令を受けて座り込む、母艦となっていた潜水艦からの固定具を外し優先の通信ケーブルが離れ熱走すればもう二度と、誰と語る事も外気に触れる事も、肉眼で空を見上げることも出来ずに敵艦に向かって突撃して行く。
あまりにも狭く暗い閉鎖空間で、突然終わる20年程の人生。どんな心境であったかなど想像など出来ない。ただその英霊に今の日本を受け渡された事に感謝して、もっと深く掘り下げてみたいと感じた。
次は山口県周南の大津島に残る回天の基地の跡や資料館に訪れたい。
そして、靖國にお参りしつつそちらにも展示されている回天に会ってきたいと思っている。
Date: 2018/1/27
Location: 広島、呉、大和ミュージアム
Camera: iPhone8plus