返る命
鯛出汁の鍋焼きうどん
呉市の安芸灘大橋から始まる「とびしま海道」、下蒲刈島、上蒲刈島、豊島とわたってたどり着くのが大崎下島、そこに昔ながらの町並みを残した「御手洗地区」があります。
そしてそんな置屋跡や様々な歴史のある建物が立ち並ぶ路地の中に、鯛出汁の鍋焼きうどんを食べさせてくれる小さな店が。
カレーうどんもいいなぁとおもいつつもとりあえず看板メニューの鍋焼きを注文、そしてうれしい揚げたてのがんす!意外と揚げたてで出してもらえる店が無いんですよね^^
美味しい出汁とやわめのうどん、そしてがんすに大満足...本当なら締めリゾットもしたかったけどさすがにお腹いっぱいで(笑)
もし御手洗に行かれることがあれば是非^^
ちなみに営業は現時点では日曜の11〜16時だけですのでご注意を、また、このエリアは公共交通機関はバスのみでなかなかの行程になりますので、満足度も高いです(笑)
PS.写真は2017年11月の物です、それ以降は日曜日に行けてないのでw
消えて2ヶ月が過ぎた築地
2018年10月6日にその役目を終えて閉鎖された築地市場に再び訪れてみた。
かなり以前に同じく役目を終え、今はもう跳ね上げ機構を動かすことができない勝鬨橋(再起動には補修等々で億単位の金が必要だそうです)の上から築地港を眺めると、まだ姿は生きていた頃の築地とはさほど変わらない。
しかしその様子から伝わってくるのは物悲しさと静けさで、車がいつも止まっていた岸壁には何もなくなってしまっている。柱がいくつも立ち並ぶ様はさながらパルテノン神殿だが、こちらはあちらとは違いじきに消えてしまう景色だ。
橋を渡りきり高くそびえる工事用フェンスを横目に、波除神社のある中央の入り口に向かう。休日とあって解体工事は止まっているのであろう、あたりに広がる静けさが再び一抹の寂しさを与えてくる。
波除神社の横、かつてゲートがあった付近は完全に閉鎖されているが、左にそれるようにパーキングとして転用されていた。子供の頃には母に連れられここから場内に入ってあの活気を体に浴びていたと思うと、もうあの景色は本当に無くなったんだなと、消えたゲートが教えてくれた。
いつものように波除神社にお参りをし、この場所を後にしたのだった。
(2018年12月24日の記録)
守る仕事
旅では特に、昔から続く地元のお店にお邪魔する様にしています。
それは地元の空気を感じられるということと別に、そういう店にはなんかしらの背骨の様なものが一本しっかり通っているからこそその地に根付いたのではと思い、それを感じたいからなのです。
そんな中で今回の旅でお邪魔したお店の中でいただいたものの中で一番感じるものがあったのはこちらの「大人のお子様ランチ」です。
オムカレー、エビフライ、ハンバーグ、この3つそれぞれにちゃんと筋が通っていて、ある意味で感動しました。
カレーは小麦粉で丁寧に作ったとわかる香り、エビフライは食べやすく開き粗めのパン粉でちょうどよく揚がり、手ごねのハンバーグにはごくごくベーシックな赤ワインの香りがほんのり残ったコクのあるデミグラスソースが。
現代の味では決してないけれど、ご主人がこだわりちゃんと手で作られた手の香りがするどこか優しいお料理で、こういう変えない努力と変わらない心を自分も写真の仕事の中でしっかり通していかなきゃなとしみじみ思ったのです。
本当に美味しくて素敵なお料理でした^^
こちらがお店の公式サイトです。
サイトもなんだか懐かしい雰囲気でいいなぁ^^
2018年12月10日訪問
懐かしきアーケードの懐かしきお食事処
徳山駅から歩いて5分、目抜きから1本入ると戦後には闇市があったと言われているアーケードがあります。
こういうところはどこの街でもそうそう違いがあるものではなく、「昔は闇市だった...」というお話を伺うと、「ああ、やっぱり」と既視感のある様子なのです。
その中を歩いているとぽっとあらわれる一軒のお店、「お食事処 加寿之屋」さん。
なんとも素敵な佇まいです、そしてこの手のお店は常連臭も漂うので慣れていないと非常に入りにくい、このお店もほとんどの通りがかりの人は間違いなくスルーしてしまうでしょう。
でもこういうお店にボクは惹かれてしまうのです、懐かしい空気感はもちろんなのですが、メニューをみたり味わったりでその町の食の傾向もなんとなく感じられるので好きなのです。
まずは大事なのはショーケースで確認、中には間違いなく料理の姿が計れるメニューはありませんから(笑)
悩みます... 実は以前の徳山旅行ではタイミングが合わずに入れなくて、悔し紛れにちょっと調べていたので代表的なメニューらしくものは知ってしまっています。
ここでもサンプルのある「ちゃんぽん」は独自のものらしく非常に興味が... しかし鉄板で供される「カルビ」や「上ホルモン」も捨て難い。
意を決して、いつも通りの口癖の様な「一人ですけどよろしいですか?」の言葉と共に入店した。
店は決して広くない、2人で丁度良いテーブルが3つに2人が座れるくらいのカウンター、この日はまだ日曜日のお昼前だというのにすでにテーブルもカウンターも先客が。(他のお客様の迷惑になりますので店内は未撮影です)
空いているテーブルに座り、短冊のメニューを見ると決まりかけていた心がまた揺らぐ... がしかし初志貫徹!「上ホルモンとライスをください」。
しばらくして鉄板で焼かれている料理が出てきた。
これは... ご飯よりビールだろ... と思いつつも、午後は島に渡って撮影の予定だったので泣く泣く我慢、本土に帰ってきてからでは閉店しているので今回はライスで我慢です(笑)
料理はというとご想像通り、ものすごい美味い!のではなく、ホッとして美味しい味で、お店の方も丁寧で優しい温かいご対応、それはまさにボクが求めていたものそのので感激でした。
次回はカルビも食べたいし、ちゃんぽんも食べたい、そしてラーメンも... また悩むんだろうなぁ^^
店舗情報が少ないのでとりあえず食べログのリンクを張っておきます。
https://tabelog.com/yamaguchi/A3505/A350501/35004108/
日曜営業ですがたしか平日のどこかで1日定休があったような... そして現時点でのオープンは10時くらいで夕方までの営業でした。
月に一度、旅人になるという事
有り難い事にお仕事は忙しくさせて頂いています、シンプルに撮影業務を行いそれに付帯するデスクワークなどなど、丸一日が何もない休みと言うのはなかなか取れない状況です。
しかしだからこそ、月に一度の一泊二日の旅は欠かさずに出ると決めています。
リフレッシュ?いやどうだろう、家で一人目を閉じ大人しくしている方が身も心も休まるだろう。むしろそれより、不規則ながらも出来上がってしまう仕事のリズムのような物を強制的に破壊し、一度ゼロの自分に戻すと言う要素が強いと思います。
そして旅にはあまり多くの要素は盛り込まない様にしていて、決めているのは一つだけで「新しい何かに触れる」と言う事で、いわゆるそれが旅のテーマとなるのです。
それともう一つ、そうした旅での写真をまとめてその都度に一冊フォトブックを作ろうと思っています、我が家の棚に並べるだけなので表に出る事は恐らくないですが、そんな楽しみもいいかなと思ってるのです。
さて、来月は何をテーマにしようかな。
カレーと牛丼の出会いの思い出
20代半ばの頃、少しだけ住んだ練馬で良く行っていた個人経営の蕎麦と牛丼のお店でカレーと牛丼のセットを覚えた。
見た目は写真の様に別盛りではなく、皿に盛ったご飯に半分づつ合い盛りしてあり、その店では「合い掛け」と呼んでいた気がする。
まだ当時は吉野家が一強でメニューも牛丼のみだった時代、初めて見たそのカレーと牛丼の合い盛りに違和感を覚えつつも興味本位で頼んでみた。
出てきた料理の牛丼部分をまずは食べてみた、長い時間が経った今でもまだはっきり覚えているほどそれはマズかった…ほんのり甘しょっぱく牛肉の匂いが少しするパサつき気味の肉とタマネギ、あああ…と思いつつ今度はカレーを口にする、こちらは良くありがちな業務用カレールーのカレー、不味くは無いが美味くもない。
ああ、失敗したな…と思いながら、カレーと牛丼の境界線の辺りをスプーンですくい口に運んだ。
あれ?美味いじゃん、コレ。
そうなのだ、このメニューは混ぜてこそ本当の姿になるのだ、しかも予め混ざっているのではなく、自分で混ぜてから食べるので肉がカレー味になり過ぎず丁度いいし、カレーにも牛丼の風味が隠し味になって美味い。
こんな食べ方もあるんだな…と、そのあと練馬にいる間は何度も通ったのだった。そして練馬を離れて数年後、店の前を通るとその汚い雑居ビルは消え、小綺麗なビルが建っていて店はどこにも見当たらなくなっていた。
平成ヒトケタの頃の懐かしい思い出なのである。